「こぼれ落ちた砂~無戸籍のまま生きて~」最終回ネタバレ&感想です

月刊フォアミセスで短期集中連載中の漫画、「こぼれ落ちた砂~無戸籍のまま生きて」が最終回を迎えました。

主人公は22歳の女性・花音(かのん)

恋人の陸斗(りくと)にプロポーズされますが、戸籍がないことを理由に黙って姿を消しました。その後妊娠が発覚。悩む花音に手を差し伸べたのは、花音が住み込みで働いていたスナックの渚ママでした。

そして陸斗も姿を消した花音をずっと探し続けていました。渚ママの計らいで再会する2人。陸斗は無戸籍のことも赤ちゃんのことも全て受け入れ、花音の戸籍を作り、そして結婚しようと申し出ました。

今までのお話は、
こぼれ落ちた砂~無戸籍のまま生きて~第1話あらすじ&感想。
「こぼれ落ちた砂~無戸籍のまま生きて~」第2話のあらすじ&感想
をご覧ください。

「こぼれ落ちた砂~無戸籍のまま生きて」最終回ネタバレ

戸籍がないまま生きてきた22歳の花音。恋人である陸斗の力を得て、戸籍を手に入れるために動き出した。

法律事務所に相談に出向く2人。花音は22年間という長い間戸籍がない状態であるため、実母との母子関係を証明することが必要だった。母子手帳もしくは出生証明書、母子で写っている写真。

そんなものは見たことがないと落胆する花音。

母子関係の証明ができない場合、最後の手段として、花音だけの戸籍を作るという方法もあった。しかしこれは不正取得の疑いをかけられるリスクが高いものだった。誰が親か分からない戸籍は、日本人であること、日本人でないこと、どちらも証明できないものだからだ。花音は納得がいかないといきどおる。

弁護士は、「戸籍に関する法律は、DNA鑑定ができなかった時代に作られた古いもの。だからこそ、現代の問題に対応できておらず、今も苦しんでいる人がいる」と花音に告げる。その上で、一日でも早く戸籍を取り戻せるように尽力すると約束してくれた。

後日花音は陸斗とともに実家を訪れる。母と会うのは6年ぶりだった。花音は母に、戸籍を作るから協力してほしい、別れた夫ともちゃんと離婚してほしいと頼む。その頼みを聞いた途端、母親の顔色が変わった。離婚なんて無理だ、まして別の男の子どもを産んでいたなんてことが知られたら私は殺されると取り乱す母。花音は自分が妊娠していることを告げ、再度協力してほしいと頼むが、追い返されてしまった。

落胆する花音に陸斗は、母が真っ青な顔で震えていたことを花音に告げる。そして、

お母さんは今もその男に恐怖で支配されてるんだ

と母の心情を思いやった。

数日後、再び実家に顔を出す花音。母は留守中。その間に証拠になるものを探していた。戻ってきた母は、母子手帳と出生証明書を花音に渡した。そして夫と話す決意を固めた。2人は夫に会うため新幹線に乗った。

道中母は、花音の戸籍について悩んでいたことを打ち明けた。夫はお酒が入ると暴力をふるう人で、よく肋骨を折られたと青い顔で話す母。

長旅の末、ようやく夫の家にたどりついた。しかし表札の名前が違う。通りかかった女性にきくと、夫は事故で既に亡くなっていた。その言葉を聞き号泣する母。そんな母の姿を見て、花音は母も自分と同じように苦しい人生を生き抜いたサバイバーだったと知る。

自分にもっと勇気があれば、花音はこんなに長い間苦しまずに済んだ。申し訳ないと花音に謝罪する母。しかし花音は、「私は絶対にあきらめない」と力強く母に告げる。この旅が2人の初めての親子旅行だった。

再び法律事務所を訪れる花音と陸斗、そして母。弁護士は、母の戸籍を結婚前のものに戻す手続きを行えば夫との関係は無くなると説明する。加えて、夫は花音が生まれる前に亡くなっているので親子関係がないことも証明できるので、花音の戸籍を作ることは可能だと告げた。喜ぶ3人。その後役所や裁判所での手続きを重ね、ようやく花音は戸籍を手に入れることができた。

そして数か月後、花音は無事出産した。陸斗と母、渚ママに祝福される花音だった。

数年後。花音と陸斗、そして娘の結愛(ゆあ)3人が手をつないで歩いている。結愛の未来が輝くものであるようにと祈る花音であった【完】

「こぼれ落ちた砂~無戸籍のまま生きて」最終回感想


まずはハッピーエンドでホッとしました。

個人的には、戸籍を作るにあたって行政機関が高い壁になるのかなと思っていたのですが、最大の壁は母親でした。

母親が花音の戸籍を作ることに反対したのは、怒りではなく不安と恐怖からでした。確かに、昔自分を痛めつけた人間と再び向き合うのは恐ろしいことですよね。

私も、母と同じ立場になったら手放しで花音に協力できるかどうか自信はありません。私だって何年たっても、自分を深く傷つけた人物のことは許せないし、怖いし、できれば二度と会いたくないです。でも花音の母は、花音のために勇気を出しました。それが結果として花音の戸籍取得につながります。これも母なりの花音への愛だったのだと思いました。

ようやく戸籍を手にした花音は無事女の子を出産しました。娘の幸せを願う花音。どうかこの家族がいつまでも平和で幸せでありますようにと願っています。

今回この話をブログで紹介するにあたって、無戸籍について色々調べました。そこで、無戸籍のまま生きている人が数多く存在し、苦しんでいることを知りました。この漫画の主人公・花音が戸籍を作れたように、無戸籍問題が解消されて苦しむ人がゼロになる日本になってほしい、しみじみとそう思いました。

「こぼれ落ちた砂~無戸籍のまま生きて」最終回まとめ

  • 花音と陸斗は戸籍を作るために動き出す
  • 法律事務所に相談に行った後、実家に戻る花音
  • 6年ぶりに実母と再会する
  • 母は夫と再会することの恐怖から花音への協力を拒む
  • だが花音の本気に触れ、夫と再び会うことを選んだ
  • しかし夫は既に亡くなっていた。自分の弱さで花音を苦しめたと詫びる母
  • 母のおかげで一歩前進し、ようやく花音は戸籍を手に入れた
  • 花音は無事女の子を出産する。
  • 数年後。花音と陸斗、娘の結愛。3人は笑顔で手をつないでいた

だいすきな河崎芽衣先生の作品ということで、じっくり読みました。今後も河崎先生の作品に注目していきたいと思います。1話から3話までのネタバレブログを読んでくださって、ありがとうございました。

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