「わたし今日からおひとりさま」はホラー?内容と結末ネタバレ。泉の秘密とは?

「わたし今日からおひとりさま」は、一見すると平凡な主婦がいきなり家族に捨てられて、おひとりさま生活を余儀なくされる話ですが、実は全然違います。

ちょっとホラー?な展開もあります。

この記事では、なぜ私が「これってホラー?」と感じたかを含めて内容を紹介します。主人公・泉の秘密や結末も合わせてネタバレしています。感想も書きましたので、ぜひご覧になってください。

「わたし今日からおひとりさま」ってホラー作品?内容紹介

主人公の泉は31歳。高校卒業と同時に結婚した専業主婦。夫の順・娘のミチとの3人暮らし。若くして結婚したのは、ミチを妊娠したため。

その後平穏な暮らしを続けていたが、ある日夫から突然離婚を渡される。

あまりにも突然の出来事に感じた泉だったが、ミチはうすうす気づいていた。
会話がない両親、一緒にご飯を食べない父親、そもそも家にいないことが多かった。
泉は全く気付いていなかった。

それだけでもショックだったが、もっとショックなことが起こる。
ミチが自分ではなく、夫の順と暮らすと宣言したのだ。

その上ミチから、東京に行くことをすすめられる。

娘にまで捨てられたと傷心の泉だが、ミチの勧め通り上京する。
そこで頼ったのは、高校時代の親友で売れっ子ヘアメイクのじゅり。

じゅりに促され就活を始めるも、不採用が続く泉。
毎週土曜日に会っていたミチに勧められ、家政婦の仕事に応募し、初めて採用された。
しかし、初めて1人で仕事をした先でトラブルをおこす。

訪問先はキャバ嬢の家。そこにヒモ男がいたのだ。ヒモ男は人懐っこくそして優しい。
気が付けば泉は一緒に酒を飲み、おまけに抱きしめられてしまう。それを家主に見られ、仕事をクビになった。

後日、再会したヒモ男こと紐野(ひもの)の紹介でカレー屋で働き始めた泉だが、それと同時に紐野のことが気にいなり始めた。そんな泉に釘を刺すじゅり。

ある土曜日、じゅりは高校時代の親友・むっちゃんと出会う。
そこで今、泉と一緒に住んでいること、泉は今日も娘に会いに行ったと伝える。
その瞬間、むっちゃんの顔色が変わった。

そして泉はミチに会うため、いつものカフェに行き、アイスコーヒーとクリームソーダを頼んだ。しかし、カフェにミチの姿はない。クリームソーダが置かれている誰もいない席に向かって泉は笑顔で話していた。飲む人のいないクリームソーダはアイスがどんどん溶けていった。

え?どういうこと?実は私、このからくりに気づくまでに相当時間を要しました。3回くらい読み返したのです。誰もいない席に話しかける泉、溶け続けるアイスクリーム、このシーンだけ見たらかなりのホラーです。



「わたし今日からおひとりさま」泉の秘密とは?

泉にはじゅりも知らない秘密があった。
実は泉の娘・ミチは事故で死亡していたのだ。

ミチが亡くなったとき、泉は号泣し続けた。しかし夫の順が

うるさい
お前はもう泣くな

めちゃコミックより引用

と冷たい言葉を投げつける。

だから自分は笑っているのだと泉はじゅりに告げた。

え、何で旦那そんなセリフいったの?冷たすぎないか??それで離婚切り出したって意味わからない。旦那の存在とは…と疑問に思う私です。

じゅりの家を出ていった泉は、紐野と一夜を共にし、そのまま一緒に暮らし始める。
紐野はじゅりから、ミチは亡くなっていることを告げられるが、意に介することなく泉のそばにいた。

泉は紐野といっしょにいることで、ずっとほしかった日常を取り戻せたと感じていた。

しかしそれもつかの間。泉は紐野との子を妊娠する。


「わたし今日からおひとりさま」結末ネタバレ

結末から言うと、泉は紐野との間にできた子を出産します。

紐野は子供をできたことをとても喜び、このまま付き合っていこうと考えますが
泉はそれを断ります。

実は妊娠発覚直後、泉は元夫と再会していたのです。ミチと会っていた喫茶店で。
元夫は「もう泣くな」と言ったことや、一方的に離婚を突き付けたことを謝罪し、2人は和解しました。

そこで泉はようやくミチの死を完全に受け入れ、おなかの子も自分が守ると決心します。そして、紐野にも「私を一途に愛する人がいい」と告げ、同棲解消しました。

そしてなんと、じゅりが泉に「一緒にその子を育てさせて」と告げます。

10年後、無事に生まれた女の子・ユアは泉ではなくじゅりに憧れ、父親である紐野をたじたじにやりこめる子に成長しました。そして泉は母になっても恋愛しています。

2人の母親、一緒に暮らしていない父親、そして亡くなったミチを「お姉ちゃん」と呼ぶ娘のユア。ちょっと風変わりな家族ですが、幸せに暮らしていました。


「わたし今日からおひとりさま」の感想

最初は「ちょっと世間知らずな主婦が夫にも娘にも捨てられて右往左往する話」と思ってよんでいたのですが、実際は全然違いました。

ミチが死亡したことが明らかになってから、一気に引き込まれました。

紆余曲折あったけど、一風変わった家族になったけど、まずはハッピーエンドでよかったです。個人的には、泉が「もうこのカフェにはいかない」と決心したところと、ユアがミチを「お姉ちゃん」と呼んでいるところにジーンときました。

じゅりが泉と一緒に暮らす中で、子どもを育てたい願望が芽生え、もう1人の母親になったのが意外でした。

個人的に言うと、紐野のことは最後まで好きになれませんでした。しかし彼もキーパーソンの1人であったことがちょっと驚きでした。ただのチョイ役だと思っていたからです。

この作品を読んだら、幸せの形って人それぞれだなあとしみじみ思いました。
重ねてになりますが、ハッピーエンドで本当によかったです。

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