ヒヤマケンタロウの妊娠は、講談社「BE・LOVE」で2012年に連載されていた漫画です。作者は、坂井絵理さんです。2019年には続編として、育児編も連載されました。
男性も妊娠できるようになった架空の日本で、主人公の男性・ヒヤマケンタロウが恋人との子どもを妊娠する話です。
この漫画が、2022年4月21日からネットフィリックスで全世界独占配信されました。
主役・ヒヤマケンタロウを演じるのは斎藤工さんです。
俳優の #斎藤工 さんがNetflixシリーズ「#ヒヤマケンタロウの妊娠」(4月21日に全世界独占配信)で、突然おなかに子どもが宿り、悪戦苦闘する役を演じています。
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) April 20, 2022
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配信後の日本および海外での評価を調べてみましたので、こちらにもシェアします。
「ヒヤマケンタロウの妊娠」海外での評価は?全世界ドラマ配信中
ヒヤマケンタロウの妊娠 気持ち悪いという評価やクチコミ
ヒヤマケンタロウの妊娠に関しては、「気持ち悪い」という意見もあったようです。
個人的には面白いなと思っていたので、意外でした。
実際に口コミを調べてみたので、いくつか紹介します。
(5.0) 男女ともに大切なこと
Yagaさん 投稿日:2021/4/8
現代を先取りしたようなお話で、現代の少子化現象に一石を投じたような気がする。 著者はそこまでのつもりはなかったかもしれないが。未だに「マタハラ」という言葉があるように、妊娠、出産に関する職場での差別は歴然としてある。 早く男性も妊娠してほし いと切に願う。
K
面白かった、けどやっぱり胸糞悪いシーンあるし、不毛な男叩き女叩きの火種になりそうなテーマだから、続きは読まないなー。鏡の前で会いましょうの人だよね。この人の絵可愛い
おみつさん
5つ星のうち1.0 意表をついた題材ですが…
2013年3月22日に日本でレビュー済み
やはり男が妊娠するというのが現実離れしすぎていて、感情移入はできませんでした。
また、主人公(出産する男性)とヒロインが結婚した描写がなかったので、そこも何だか物足りなく感じてしまいます。
- 2021/08/31
- お疲れ様
試し読みをして面白かったので、育児編と合わせて読みましたが、面白かったです。
妊娠をきっかけに人として成長したり、絆が深まったり、そんな暖かい物語でした。続きも出ましたら読みたいです。
女性が主に大変な思いをする妊娠を、敢えて男性側にする設定、斬新だし面白いと思います。私は好きです。
物語ならではの「こういう世界だったら」のフィクションが受け付けない人はストレスだと思うので、おすすめできません。
評価点5 幸運の社長さん
Renta!で購入済み
Netflixでドラマ化と聞いて早速読んでみました。2児の母としては「夫が妊娠してくれたらいいのに…」と100万回考えたことがあります。でも結局マンガではたまたま男性が妊娠したけれど、どっちが妊娠したとしても環境や福祉は平等で生命の誕生を喜べる世の中になって欲しいなぁと読んでいて感じました。
こうやって見ると、好意的な意見もありますね。
賛否両論かなあという感じです。
私の感想は、最後に紹介します。
というわけで、改めて登場人物や内容に関して書いてみます。
ヒヤマケンタロウの妊娠 登場人物
桧山健太郎
第1話主人公。32歳独身。レストランチェーン・企画部部長。突然の妊娠に混乱する。
川端みずき
第2話主人公。独身OL。会社の同僚と交際中。彼の子どもを妊娠するが、彼は別の女性と結婚してしまう。
内海翼
第3話主人公。男子高校生。ガールフレンド・里美との子どもを妊娠する。
瀬戸亜季
第4話主人公。桧山健太郎の恋人であり、子どもの母親。健太郎の妊娠に困惑する。
宮地紀子
第5話主人公。一児の母。夫が第2子を妊娠した。第1子を妊娠・出産したのは紀子本人。
ヒヤマケンタロウの妊娠 内容
第1話 桧山健太郎の場合
舞台は、男性も妊娠するようになった現代?の日本。桧山健太郎は、病院で妊娠を告げられる。
この世界では、男性の妊娠確率は女性の約10分の1。まだまだほとんどの男性にとって妊娠は他人事だった。即座に中絶すると告げる健太郎。しかし、医師は冷静に、男性の場合全ての出産は帝王切開になり、中絶手術も開腹手術になることを説明した。自分は産むのか中絶するのか?迷いを抱えることになる。
結論が出ないままいつも通り出勤する健太郎。満員電車が怖くなり始めていた。その時1人の女性が、健太郎を女性専用車両に案内する。彼女自身も妊婦であったため、健太郎の妊娠に気づいたのだ。
そして出勤。妊娠中の女性社員から電話がかかってきている様子。その電話を受けた男性社員は「つわりは病気じゃないんだから。だいたい何で繁忙期に妊娠するの」とあきれている。その様子にイラついた健太郎は電話を替わり、「無理しないでいいよ」と伝える。自分だって少し前は彼と同じだったと思いながら…。
そんな中、健太郎の妊娠が会社に知られてしまう。しかも皆、どこか否定的なのだ。それに怒りを感じた健太郎は、産む決意をする。今までの会社の立場、もの珍しい「妊夫(にんぷ)」という立場、全てを利用して自分の居場所を作ろうと考えたのだった。
第2話 川端みずきの場合
川端みずきは会社の同僚との子どもを妊娠する。しかし彼はみずきとは別の彼女がいた。
彼のはっきりしない態度が原因で妊娠を公表できない中、 みずきは通勤中に妊夫と出会う。彼を女性専用車両に案内するが、その男の態度はそっけないものだった。
数日後、みずきはその男性・桧山健太郎と再会する。そこで、彼氏にふたまたかけられていること、結婚できるかどうかも分からないことも話した。健太郎が子どもを産むことを知ったみずきは複雑な気持ちになる。
その後みずきは恋人から「赤ちゃんはあきらめてくれ」とメールで告げられる。それだけではなく、彼は別の恋人と結婚することが決まり、会社で話題になった。祝福ムードの中、みずきは彼を含めた会社の同僚がいる中で自分の妊娠を告げ、子どもを産む決心を固めた。
第3話 内海翼の場合
内海翼は数日間入院し、退院した。表向きの理由は盲腸の手術だったが、実は中絶手術を受けたのだ。
久しぶりに通学電車に乗った翼に、同級生は車内に妊夫がいると耳打ちする。その姿を見て翼は複雑な気持ちになる。
翼の彼女は、同級生の里美。里美は翼の体を気づかうが、自分たちの赤ちゃんがいなくなることを寂しくも思う。
翌日、翼の同級生が電車内で妊夫・桧山健太郎を見てクスクスと笑う。すると健太郎は、「なにがおかしい」と一喝する。
お前らみたいなのがいるから表に出られないだけで 俺みたいなおとこは日本だけでも何万人といるんだよ 他人事だと思って笑ってると いつかお前らも同じように笑われるぞ
そんな健太郎の言葉を思い返しつつ、翼は1人考え込む。その上、里美から「両親から翼とは別れるように言われた」と告げられる。
里美とのデートの帰り道。翼はまたも桧山健太郎に出会う。健太郎は新しいレストランを企画したのだ。妊夫とイクメンを応援する店。
と言っても健太郎自身店を作っただけで世の中変わるとは思っていない。翼が大人になって父親になるころには、妊夫が堂々と生きている世の中にしたい。だから今動くんだと告げた。その言葉を聞いて、翼は気持ちを固める。里美のことがまだ好きだから、別れないでいてほしいと改めて告白した。
第4話 瀬戸亜季の場合
瀬戸亜季は子供が嫌いなアラサー女性。実は桧山健太郎の恋人だ。
ある日健太郎と久しぶりに会った亜季は、妊娠したことを告げられる。本当に自分の子なのかと一瞬疑う亜季。健太郎は、DNA鑑定しないと確定はできないが、ほぼ確実に亜季の子であることと、自分は子供を産むが亜季には迷惑かけないからと宣言する。
健太郎の妊娠をきっかけにプロポーズしようと考えた亜季だが、健太郎が 妊夫とイクメンを応援する店 を企画したことを知り、やめてしまう。健太郎が愛しているのは自分ではなく健太郎自身だけだからだと気づいたからだ。
ある日亜季は、健太郎がマスコミからバッシングを受けていることをしる。母親が誰だか分からない子どもを妊娠したのがその理由だ。
健太郎が会社にまで押しかけてくるインタビュアーに困っていたその時、亜季が現れ母親は自分だと宣言する。プロポーズこそしなかったものの、亜季は健太郎の子どもの母親になる決意を固めた。
第5話 宮地紀子の場合
宮地紀子の夫が妊娠した。夫はつわりがきつく、何日も会社を休んでいる。そんな夫を見ていると、自分が妊娠したときのことを思い出し、複雑な気持ちになる。
宮地夫婦の近所に新しいレストランがオープンした。桧山健太郎がプロデュースした、 妊夫&イクメン応援レストランだ。堂々とマスコミに出ている桧山健太郎の姿と、それを見る夫の姿を見て、男の妊娠なんて認めないと紀子は憤る。2人目も私が生みたかったと思う。
ある日宮地紀子の夫は、健太郎のレストランに入った。紀子が偶然それを見てしまう。そして家庭内では、相変わらずぎすぎすした雰囲気の宮地夫婦。
息子と一緒に買い物に行った紀子は、パート先の店長夫妻と出会う。そして息子の一言で、夫の妊娠が店長に知られてしまう。実は店長夫婦は不妊治療をしたが子供がさずからなかったのだ。店長の妻は、夫でも妻でも妊娠できることはうらやましいと紀子に告げた。
色々なことを考えた紀子は、夫に「子ども産むのが怖いの?」とたずねる。夫は強がっていたが、紀子が本音をぶつけたことで、夫も内に秘めていた怖さをようやく口に出せた。そして宮地一家は3人で、健太郎のレストランに向かったのだ。
ヒヤマケンタロウの妊娠 結末
「第6話 桧山幸太郎の場合」で、健太郎は無事男の子を出産します。
育休中も自分の店で働く健太郎は。、川端みずきに再会しました。みずきは会社を辞めて、レンタルベビーカーサービスの会社を作っていたのです。でもみずきの本音は、「自分のベビーカーでどこにでも行きやすい世の中が理想ですけどね」でした。
折しも健太郎が息子の幸太郎とベビーカーで電車に乗っていたとき、泣き声を聞いた乗客に舌打ちされてしまいます。ムッとする健太郎ですが、それはかつての自分だと気づきました。
30年後、健太郎の息子・幸太郎が妊娠しました。健太郎と亜季が幸太郎宅に妊娠祝いにやってきます。
桧山健太郎の妊娠から30年。最初は自分だけで世の中を変えてやると思っていた健太郎ですが、一人一人が少しずつ変わっていったことで、男性の妊娠も受け入れるようになったのだと実感したのでした。
ヒヤマケンタロウの妊娠 考察(というか感想)
全体の主役は桧山健太郎でしたが、実際は5人の主人公によるオムニバス作品でした。
以前朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポートネタバレあらすじ2&3話でも、男性の妊娠を取り上げた漫画について書きましたが、この作品とは全く違う作風でした。
「朝起きたら~」の方があくまでも、1人の男性が妊娠・出産したことを通しての、いわば個人的な視点の作品でした。しかし「ヒヤマケンタロウの妊娠」は、妊娠・出産の社会的視点も描いているように感じました。
働く女性が妊娠することをマイナスに受け止める職場環境、自分のベビーカーで自由に外出できない環境、赤ちゃんが泣いたら舌打ちされてしまう電車内。男性が妊娠・出産しても暮らしにくさは変わらないのかな?と思ってしまいました。
私は子供がいないので、分かりたいと思いつつ本当の大変さは分かりません。だからこそ、この本を通じて、妊婦さんや子供連れの家族が暮らしやすい世の中になるために、今私にできることは何だろうとしみじみ考えてしまいました。
妊婦さんやお子さん連れの人に優しい環境は、めぐりめぐってすべての人に優しい環境になるのではと思いました。ただそれが高じて、子どもがいない人に冷たい世の中になってほしくないというのも本音です。やはり、子どもがいないことで色々傷ついてきたのも事実なので。
まとめ
単なる「男性が妊娠する話」だけでは終わらなかった、ヒヤマケンタロウの妊娠。
2022年5月5日現在、ネットフリックスでドラマが配信されており、
賛否両論の意見を生み出しているこの作品。
このタイミングで、ドラマと漫画どちらも楽しんでみてはいかがでしょうか?
特に男性にはおすすめの作品です。
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