透明なゆりかごという漫画を紹介します。4巻のネタバレと感想あり。

「透明なゆりかご」という漫画は、私が今スマホの漫画アプリで読んでいる漫画の中で一番気に入っているお話です。この漫画に関しては、先日も第1巻のネタバレ紹介を書きましたが、今回再び書いてみます。

透明なゆりかごという漫画について。あらすじと作品紹介

透明なゆりかごは、2014年から2021年まで漫画雑誌「Kiss PLUS」と「ハツキス」において連載されてた漫画です。作者は沖田×華さん。ご自身が高校の准看護科在籍中に産婦人科病院でのアルバイトを経験しており、そのことをもとにして描かれたものです。

単行本は全9巻出ており、その中には望まない妊娠や中絶、性的虐待、不妊治療、病気を抱えた妊婦さん、高齢出産などさまざまなエピソードがあります。この漫画は2018年7月にはドラマ化されており、同じ2018年には漫画賞も受賞しました。

一話完結なのでどの巻から読んでも楽しめますが、今回は印象深いお話が掲載されている、第4巻について書いてみます。

透明なゆりかご。漫画ネタバレ。単行本4巻

透明なゆりかご4巻は、第22話から第29話までが収録されています。ここでは、特に印象に残ったお話のネタバレをしたいと思います。

第22話「この子 誰の子?」

授かり婚で男の子を出産した千里さん。しかし、生まれてきた赤ちゃんは、千里さんにも夫の晃一さんにも似ていませんでした。何と金髪で青い瞳の赤ちゃんだったのです。

夫の晃一さんは、「一体誰の子なんだよ」、「どうしでオレとお前で金髪で青い目の子どもが生まれるんだよ」、「男に逃げられたからオレに押し付けたんだろ」と激怒。千里さんの言い分を全く聞こうとしません。そして晃一さんは、それ以来病院には来なくなってしまいました。

でも×華は、ショックを受け号泣している千里さんの様子を見る限り、彼女が浮気をしたとは思えないのです。

ショックで母乳が止まった千里さんに代わり、赤ちゃんにミルクをあげる×華。赤ちゃんは光くんと名付けられました。×華が信じてくれていることが救いになり、千里さんは積極的に育児指導を受け退院しました。退院後も育児のかたわら、自分の親族のことを調べ始めます。でも手掛かりはないままでした。

お人形さんみたい、かわいいという誉め言葉も千里さんにはつらいものでした。

そしてついに晃一さんの実家に光君のことが知られます。離婚の危機を迎えた夫婦。

そして時は流れ2年後。何と×華は千里さんと光くんに再会しました。信じられないことですが、光君が晃一さんの子どもというのが分かったのです。

晃一さんの実家に親族が集まり、離婚を前提とした話し合いが行われていたその時。親族中、最高齢89歳のキクさんが光君を見て、「敬ちゃんだ」と笑顔を見せたのです。

晃一さんの祖父は治郎さんという方なのですが、そのお兄さんは敬一郎さんといいました。2人の父親はロシア人だったのです。治郎さんは日本人顔だったのですが、敬一郎さんは生まれた時から金髪で青い瞳でした。そのため周りにいじめられたそうです。その後1人で満州にわたりますが、結局30代の若さで亡くなりました。

キクさんの言い分を信じない親族でしたが、写真を見ると光くんと敬一郎さんはそっくり。キクさんが「敬ちゃんが新しい家族を連れて帰ってきたんだよ」と言います。キクさんが敬一郎さんのことを思い出してくれたおかげで、千里さんと晃一さんは離婚することなく、幸せな夫婦に戻りました。

後日談ですが、光君は大きくなるにつれて晃一さんそっくりになり、誰が見ても親子だと分かる2人になっていました。

透明なゆりかご。漫画 の感想

第22話「この子、誰の子?」は、読めば読むほど不思議な話だなと思いました。

光君は父方の血筋にロシア人がいたことにより、金髪で青い目で生まれてきた。いわゆる隔世遺伝だったんですね。夫の晃一さん側の遺伝ですから、いくら千里さんが自分の親族を調べても分からないはずですよね。

漫画を読んでいる私からすると、晃一さんも「自分の親族も調べる」って言えばよかったのにと思います。そうしたらこんなにこじれることはなかったのに。

でも晃一さんの立場で見たら、妻は絶対浮気してるって思いこんでいたから、冷静にはなれなかったんでしょうね。夫だけでなく、親族一同から浮気を疑われ、DNA鑑定も反対され、あげく離婚を迫られる。このシーンは本当に千里さんがかわいそうでした。

そんな中でキヌさんがいてくれて、本当によかったです。キヌさんは親族の中で最高齢で89歳。物忘れも出てきた方ですが、光君を見て敬一郎さんのことを思い出してくれてよかったです。千里さんにとっても救いの神様のような存在だったのではないでしょうか?

キヌさんが「めでたいことじゃないか」と親族に一喝するところは、胸がスッとしました。

そしてその後、光君の外見が少しずつ変わっていき、小学生になるころにはお父さんそっくりになったというのも不思議です。隔世遺伝が変化するってあるんでしょうかね?。

このお話も実話だとしたらすごいですよね。どこかでニュースになっていてもおかしくないですが、残念ながらこういうニュースは見たことがない私です。

透明なゆりかご4巻にはその他にも、たった1人で家の床下に住んでいてブラジルに住むのが夢だという男の子(ツッチー)の話が描かれた「床下の子」や、出産時に母が亡くなり、その上脳に障害があったため父親に置き去りにされ、2年間も保育器に入っていた男の子の話が描かれた「置き去りの子」などの話が収録されています。

「置き去りの子」は救いがある結末でしたが、「床下の子」は残酷と言うか怖いお話でした。

まとめ

第4巻も様々なお話があり、読んでいて心が忙しかったです。赤ちゃんができることや無事に生まれることは決して当たり前じゃなく奇跡に近いことですし、生まれてから元気に成長することも奇跡に近いことだなあと思いました。全ての子どもが祝福されて生まれ、幸せに育ってほしい。それはとても難しいことかもしれません。でもこの漫画を読むたびに、そう思わざるを得ない私でした。

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