「汚部屋そだちの東大生」は、その名のとおり汚部屋で育った女の子・ユウが東大入学を機に、母親との関係を見つめなおし、卒業と同時に家を出ていくお話です。
これは私が愛すべき美しいママを捨ててしまう物語
第1話に書かれていた、この言葉が印象的でした。
「汚部屋育ちの東大生」あらすじ
2009年4月、田島ユウは東大生になった。
新生活に胸を躍らせ、たくさんもらったサークル勧誘のチラシにドキドキする。
「軽音サークルに入ってみたい」、「いろんなこと勉強したい」、「友達もたくさん作って」と希望に満ち溢れていたユウ。
そんなユウに声をかけたのは、彼女の母親。
軽音サークルに入りたいというユウの希望を一蹴する。
軽音は時間取られるから体に悪いよ
ユウちゃんはお絵描きが得意なんだから
美術サークルがいいんじゃない?
ね?
ユウちゃん!
![](https://mangadannjyonn.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/woman.png)
え?何か、この母親、自分の希望押し付けているだけじゃない??
何だかいやな予感がします。
そして2人は帰宅。母親は入学祝のケーキを用意していた。
「東大生へのごほうび」と言ってケーキを持っていた母。
そこは、モノ、いやもといゴミがうず高く積まれた汚部屋だった。
![](https://mangadannjyonn.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/woman.png)
いや、タイトルから分かってはいたけど、すごい汚部屋。
マンガだからぼかされてるけど、リアルで見たらすごいと思います。
業者さんも驚くレベルっぽいよ
そしてお祝いのケーキは、チョコレートケーキ1ホール。
全部食べるようにという母。
ねぇユウちゃん
新生活とかいってさ、浮かれちゃってなぁい?
自分だけ幸せになろうなんて、ママ許さないからね!
![](https://mangadannjyonn.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/woman.png)
怖い!めっちゃ怖い!いやな予感的中。
美人の母親と汚部屋とお祝いのケーキがカオスすぎる
そして何もかもあきらめているような主人公・ユウが切ない
ちなみに、ユウと母が住む家は都内の一等地にあるマンション。
しかしトイレは、中学生のころから壊れたまま。
修理業者を呼ぶのも汚すぎて無理なレベルだった。
そしてそのトイレ、ときどき母親が壁に生理用ナプキンをつけっぱなしであったり
ひどい時には大きい方が流れていないときがあった…。
「汚部屋育ちの東大生」は作者の実話
「汚部屋育ちの東大生」の作者は、ハミ山クリニカさん。
実はこの方、東京藝術大学入学・中退後に東大に入学したのです。
そして、汚部屋エピソードも母親の過干渉というか毒母ぶりのほぼ実話だそうです。
いくつかのインタビュー記事にご実家の写真が載っていましたが(ご本人提供)、かなりの汚部屋でした。
トイレが壊れたままなのも、部屋にゴキブリが大量発生したのもすべて実話だそうです。
ハミ山クリニカさんのTwitterはこちら
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📚単行本
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パパの戸籍に私はいないhttps://t.co/hfyQpjMHE3— ハミ山クリニカ@単行本発売中 (@kllinika) January 15, 2022
「汚部屋育ちの東大生」母親との関係
「汚部屋そだちの東大生」に出てくる・ユウの母親は華やかな感じがする美人です。
一見優雅な感じ。
とても汚部屋住人には見えません。そして、毒親にも見えません。
でも実際は、かなりの毒親です。
ユウへの束縛、過干渉ぶりは、読んでいて本気で怖かったです。
でも母親はユウを憎んではいません。むしろ愛情深い人と言えます。
ママはいつだってユウちゃんの味方
ユウちゃんのためならなんでもしてあげるからね…
愛情が深く、その分自分も誰かへの愛情を強く求めてしまい、それが結果として毒親という形になったのかな?と思いました。
「汚部屋育ちの東大生」父親の存在
「汚部屋そだちの東大生」には、ユウの父親はほとんど出てきません。
実は父と母は婚姻関係になく、父には別の家庭があったのでした。
それでもユウが子供のころ(中学生くらい)までは、父が家を訪れることもありました。作品中でも、父とユウが一緒に部屋をきれいにしていたシーンがあります。
その後、父が家にこなくなってからは部屋がどんどん荒れていきました。
結局父は、病気で亡くなってしまいます。
お葬式に参列することもできず、ユウと母は、誰もいないときにひっそりとお墓参りに行っていました。
この父親だって悪いよなあって思います。
ユウはいわゆる婚外子なんだけど、もっとユウや母親のことを考えていたら
部屋だってこんなに壮絶なことにはならなかったと感じます。
母親に対する気持ちが覚めたとしても、ユウへの愛情は失ってほしくなかったな。
「汚部屋育ちの東大生」現在の作者は?
作品の中では、友人の山上さんのサポートもあってユウは大学卒業後に家を出ることができました。
読んでいた私が驚くほど、母親は追いかけてきませんでした。
個人的には、ここが一番びっくりしたところです。
何というか、「どんな手段を使っても家に連れ戻す」というイメージがあったので。
実際ハミ山さんが家を出たのは、社会人になってからだそうです。
マンガと同じく娘への執着は少なかったようでした。
ハミ山さんは現在ご結婚され、二児の母であるとのこと。
母と離れたことで完全に幸せになったわけではなく、今も人生を模索されているようです。
「汚部屋そだちの東大生」は単行本1巻と2巻が出ています。
2022年6月23日現在は、kindle unlimitedに登録すると無料で読めます。
月額980円ですので、興味のある方はぜひ登録して読んでみてください。
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