「あなたは私におとされたい」漫画配信サービスのウェブコミック・サイコミで毎週火曜日に配信されている人気作品です。作画は梅涼先生、原作は宮口ジュン先生。
2023年1月6日から2月17日には「ドラマ特区」枠にて実写ドラマ化もされました。
タイトルからしてどこか怪しげというか危なげな雰囲気のこの作品。
深夜枠ながらドラマをご覧になった方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ドラマの視聴率と漫画あらすじ&感想、そしてドラマキャストについて解説していきます。
「あなたは私に落とされたい」視聴率はどうだったの?
不倫サスペンスのドラマとして放映された「あなたは私に落とされたい」の視聴率は公開されていません。
現在も高視聴率をキープしている大河ドラマ「どうする家康」は、15.4%と高視聴率を獲得し、同時期にオンエアされた「警視庁アウトサイダー」は、初回第1話の視聴率10.7%となっています。
「あなたは私に落とされたい」は、深夜枠の放送であることと、視聴率が公表されていないので人気のほどは不明ですが、不倫モノのドラマとしては及第点とも言える内容で纏まっていたとの評価を受けています。
主にネットなどの配信枠は安定し、多くの視聴者の評価を貰うなど、新しく作られたドラマの中では恵まれた評価を得てもいます。
ただ、やはり原作とは違う形での終わりを迎えたことが大きなマイナスとなったとも言えます。
原作がまだ連載している作品ゆえにと、評価が難しい作品となり、そこで優劣が付いてしまったと、今回のドラマ化は時期尚早だったとも意見もあります。
ただしドラマの中での演出は、破綻の無い構成だったとされ、それなりの評価を受けた作品となります。
ドラマは終了しましたが、原作はまだ続いています。今後どうなるのかがますます気になる作品です。
「あなたは私におとされたい」漫画あらすじ紹介
39歳を迎えたダイヤ証券新宿支店勤務の会社員・相澤直也(あいざわなおや)は39歳。妻の相澤夏菜(あいざわかな)とは、社内恋愛を経て結婚しました。
10年前、池袋支店エースだった直也の前に現れたのは、意志の強さが現れた瞳の女性でした。それが新入社員の夏菜(旧姓・前田)だったのです。
結婚して10年目の現在、周囲からは純愛で結ばれたおしどり夫婦と思われていましたが、2人はセックスレスに悩み、互いにすれ違いの日々を送っていたのです。
仕事で夫より出世をしてしまった夏菜は、いつしか本社勤務で頭角を現し、35歳で課長にまで昇り詰めていました。
それと裏腹に、直也は未だに支店勤務。収入や地位、責任などで差が出来てしまった2人です。
夏菜は責任のある立場ゆえ、業務に業績と部下の行動などに悩み、直也は自宅でも常に仕事モードのままでいる彼女との接し方に悩んでいました。
思うように仕事を進ませる事の出来ないせいで、ストレスを煮えたぎらせいつもイライラしている夏菜は、直也とピリピリした関係になりつつありました。
当然にセックスレスへとなってしまい、すれ違いにも加速が増していく2人。
そんな中、直也の前に22歳の有名インフルエンサーの立花ノア(たちばなのあ)が、新入社員として現れます。
ノアの存在は、一体2人にしようとしているのでしょうか?破滅へと導くのか、それともまた別の道なのか。
すれ違い・見誤り・誘惑に翻弄される直也は、夏菜との関係を保つ事が出来るのでしょうか?
「あなたは私におとされたい」感想
「あなたは私におとされたい」には、「不倫しない男を堕とす」という悪女・立花ノアが出てきます。一見清純派の美人なのですが、かなりの悪女ぶりです。読めば読むほど背筋がゾワっとしてきます。かなり怖い。
社内恋愛を経て結婚した、直也と夏菜の夫婦。
でも2人の間には、いつしか亀裂が生じてしまい、その隙をノアが突いていくのです。夫婦のすれ違いにノアの存在が合わさって、実にドロドロした内容が楽しめる作品です。
今までに様々な形で、夫婦や浮気をテーマにした、複雑な大人の恋愛関係を描いた作品は多くありました。
今作は、寝取られる恋愛関係に含め、ノアの中にある「どこか恐ろしいまでの悪意」が混在するサイコサスペンスの様な一面もあり、ホラーな雰囲気も感じられる作品です。ラブストーリーとも違うし、不倫ものとも言えない作風となっています。
だから私もこの作品は、「サスペンス・ホラー」のカテゴリーに入れました。少なくともラブストーリーじゃない…。
主人公の直也は、良くも悪くも現代の平均的な夫とも言える存在です。そして、妻である夏菜は、そんな彼よりもスペックの高い、仕事の出来る女性でもあります。
平凡な何処にでもいる男性と、平凡ではない優秀な女性との夫婦関係。
最初はそれなりに上手くいくも、途中でどこかですれ違いが生じてしまい、破局していく。現代では、よくあるであろう恋愛の経緯と終局がありのままに描かれています。
そんな二人の関係を終わらせていくノアの存在。彼女の恐ろしいまでの悪女感が、実にゾクリと読者の背筋を凍らせていきます。
見た目は何も悪意を持たない様な雰囲気を持つも、その内面に隠れている、悍ましいまでの悪意と、夫婦関係を狂わせる事に執着しているサイコパスとも言える行動をします。
ノアは見た目清純で悪意のかけらもなさそうなんですが、内面がかなりサイコな感じです。そのギャップが余計に恐怖感を倍増させている感じです。
美しい花には棘ではなく猛毒が込められていた!?という感じですね。そして疑問なので、ノアはなぜ、ここまでに直也と夏菜の関係を壊そうとするのか?です。
ノアが恐ろしいのはそれだけではありません。「今までにどれだけの夫婦関係を壊し、多くの夫婦を破滅へと導いただろうか」が想像できてしまうところです。
もし実際に自分の傍にこんな女性がいれば、それはどれだけに恐ろしい事になるのかと、恐怖を感じてしまいます。
例え、悪意が見抜かれ暴かれたとしても、上手く立ち回り、周囲を味方にするだろうと想像できるのが怖いのです。姑息なまでの用意周到な悪女のノアの凄さに、恐怖を感じます。
下手な殺人鬼よりも、人心を玩び、人間関係を破綻へと導いていくノアの存在。令和の恋愛感が産んだ悪魔もといサキュバスとも言える悪女ですね。
もし私の目の前にノアが現れたら…。いろいろな意味で恐怖すぎる!!
一番近くにいる人が、あっさりおとされそう💦
「あなたは私に落とされたい」ドラマキャスト紹介
本作「あなたは私に落とされたい」は、2023年1月6日から2月17日の期間に毎日放送の深夜ドラマ枠「ドラマ特区」にて全7話放送されました。
俳優の鶴嶋乃愛(つるしまのあ)さんや村井良大(むらいりょうた)さんなどが登場しており、ドラマタイトルは「あなたは私におとされたい You Want To Be Fall in Love Me」とされました。
鶴嶋乃愛さんは、ドラマ初主演でありながら悪女である立花ノア役を演じ切りました。
役名と本名が同じだったので、一瞬ドキッとしました。
村井良大さんは、そんな彼女に振り回され、妻との関係を狂わされてしまう夫の相澤直也役を演じました。
そして直也の妻・相澤夏菜役は、宇垣美里(うがきみさと)さんが演じました。
ノアと直也に夏菜の三人を主軸に描かれていくドラマは、漫画とは違う、男女の恋愛の憎悪なども盛り込まれ、独特な雰囲気がありました。
特に印象的だったのは、直也役を務めた俳優の村井良大さんの演技です。
人生に疲れ、夫婦関係に悩む夫の姿を見事に演じており、ノアの魅力に晒されてしまうか弱さを演じてくれました。
ノアの仮初めである優しさにほだされてしまい、夏菜への愛情を見失っていく彼の迷いなども、見事なまでの演技力とも言えます。
村井良大さんと言えば、ミュージカル・テニスの王子様や乾杯戦士アフターファイブ、戦国鍋TVなどのイメージが強いので、ラブサスペンスで主役級?ということに一瞬違和感でしたが、かなりはまり役でしたね。
そんなノアの魔性を演じた鶴嶋乃愛さんは、どこか清純そうに見えるも、その内面に隠された醜悪なまでの悪意を隠しており、男を破滅させていく魔性を魅せてくれました。
妖艶かつにしたたかな悪女と、清純そうに魅せる姿には、内側に隠した悪意を煮えたぎらせていると、サイコパスな悪女の一面を演じてもいます。
夏菜役を務める宇垣美里さんの演技も見事でした。
仕事の出来る女性でありながら、夫婦関係に悩む女性の姿を演じきっていました。
弱みを見せる事は出来ずに、常に自分を強く見せようとする不器用な性格ゆえにと、夫との軋轢を増してしまう姿なども、彼女の持つ演技力の賜とも言えます。
原作作品の内容を壊さずに、原作の持ち味を活かしながらに、ドラマでしか演じられない、人間性の味わいを演出し、ドラマとしての内容を魅せてくれた作品でした。
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